わたしたちの想い

祖父の代に始まり3代続く田中椎茸は、創業以来100年間、原木栽培の椎茸づくりを続けています。
椎茸づくりと一口に言っても、その道のりは長く、皆さんの想像以上にたくさんの手間暇がかかっています。その行程は、クヌギの原木の切り出し、菌の打ち込み、木の伏せ込みといった「原木づくり」に始まり、ほだ場(圃場)にそれらを移してから、散水や、木組みの調整など、温度湿度、日の差し方を見極めながら、原木ごとの管理を行い、絶えず圃場の環境を整えていきます。こうして原木の調達から、収穫までに実に2年以上の期間を経て、原木椎茸は収穫に漕ぎつけるのです。
霧島山系の麓に位置する高原町は、清らかな水、寒暖差のある気候が、椎茸づくりには適しているのです。
しかしそんな高原町で、2011年1月26日に、突如として起こった新燃岳の噴火による降灰により、一度私たちの圃場は、壊滅しかけました。収穫を間もなく迎えるはずの椎茸はおろか、原木も全て灰の下に埋もれ、全廃棄を迫られる事態に見舞われました。
全工程に2年という時間を要する原木椎茸づくりにおいては、絶望という他にかない事態でした。
そうした中で支えとなったのは、当店の椎茸のファンのお客様、シェフやコーディネーターの皆さんの応援でした。美味しい椎茸を今も待ち望んでくれている皆さんに応える事は、初代から続く、原木椎茸づくりを守り、後世に伝えていく事の本当の意義であると、深く感じる事ができました。
それから10年、今に至るまで田中椎茸は変わらぬ姿勢と製法で、椎茸を作り続けています。
その品質を、安心にも繋げたいと考え、「有機JAS」認証、「ひなたGAP」認証も取得してきました。
我々は、原木椎茸の美味しさを知る人、まだ知らない人に少しでも多く普及していけるよう、商品開発やレシピの検討にも一層心を傾けて、日々努めています。
田中椎茸がつくる、伝統と安心安全の先にある本物の美味しさ、健康パワーを秘めた原木椎茸を、ぜひ一度ご賞味ください。

ひなたGAP